PS5 Proの価格が発表され、その価格が12万円であったことから「PS5 Proを買うならゲーミングPCを買え」という意見がSNS上で散見されます。
しかしゲーミングPCをこれまで3台使ってきた筆者からすると、それほとんど嘘じゃないか?と思うわけです。
この記事ではそのパワーワードに惑わされないよう、PS5 ProとゲーミングPCにおける価格に関する情報を紹介していきます。
12万円じゃPS5 Pro相当のゲーミングPCは買えない
PS5 Proのスペックは明らかに12万円で用意できるゲーミングPCのスペックを超えており、同じ12万円でもゲーム体験に露骨な差が出ます。
もっと言えばPS5 Proは家庭用ゲーム機かつSONY製品なので、ゲームに特化している分だけゲーミングPCより価格を抑えて生産ができます。
以下からもっと掘り下げた理由について紹介していきます。
大前提として、PS5 Proの詳細なスペックやベンチマークは発表されていないため、予測を含む記事である点は留意ください。
PS5 ProのGPUはRTX40シリーズ相当
PS5 ProのGPUは詳しく公開されていませんが、グラフィックボードのNVIDIA RTX40シリーズ相当の性能があると予想できます。
これは「レイトレーシング」の進化からその文脈を読み取ることができるためです。
PS5 Proは従来のPS5より2~3倍の速度でレイトレーシングの投影を可能としており、これはRTX20,RTX30シリーズからRTX40シリーズに進化した際と似た傾向があります(RadeonではRDNA2からRDNA3)。
筆者の予想ですが、PS5がRTX2060~2070相当のスペックを持っていたことを考えると、RTX4060TiやRTX4070相当のGPUパワーがあっても驚きません。
つまるところ、ゲーミングPCに換算すると18万~24万円程度のスペックを持っているかもしれません。
12万円のゲーミングPCはPS5 Proより画質とfps値が落ちる
12万円のゲーミングPCというのは、そもそもゲーミングPCの中でも最安値に近いほど低価格なクラスのモデルです。
『原神』のようなスマホでも遊べるゲームをPCで遊びたかったり、『Apex』や『VALORANT』のような軽いFPSタイトルを高fpsで遊びたい方向けのスペックしかありません。
そもそもPS5 Proを検討している方は最新のゲームを高画質で遊びたい方ですよね?
残念ながら12万円のゲーミングPCでは最新ゲームは画質を落として遊ぶのが前提になり、確実にPS5 Pro以下の描画しかできません。
以下はThe・比較様から引用した『Starfield(スターフィールド)』のベンチマークです。
上記の表で考えると、12万円のPCはRTX4060かそれ以下のグラボしか搭載できないところ、PS5 Proの性能は少なく見積もっても「RTX4060Ti」、理想としては「RTX4070」、高く見積もると「RTX4070 SUPER」相当のスペックがあると予想できます。
しかもこの検証結果はCore i9最新CPUを搭載した際のベンチマークなので、12万円のPCではもう10~15fpsは数値が下がるはずです。
綺麗な映像や高fpsを楽しみたいのなら、明らかにPS5 Proの方がコスパは高いと言い切れます。
12万円のゲーミングPCを購入すると後々に損をする
筆者の経験では、2台目のゲーミングPCからは予算を22万以下に設定したことがありません。
それくらいの予算がないと最新ゲームを最高画質や高fpsで遊べなかったり、PC版にありがちな最適化不足に対応できないからです。
筆者が最初に購入したPCは8万円でしたが、グラボを交換したりメモリを交換したりと結果的に18万円近くの予算がかかりました。
しかもこの話は半導体不足や円安になる前の話なので、現在に換算すると予算感は1.5倍以上になります。
本音を言うと12万円のゲーミングPCを買うくらいなら、BTOパソコンショップの分割払いを活用して高いPCを買うべきだと考えます。
20万円以上のパソコンを買った方が絶対にQOLとゲーム体験は保証されます。それくらい12万円のPCは買うに値しません。
もっと言えば皆さんが最も期待しているであろう『モンハンワイルズ』が12万円のゲーミングPCじゃ遊べない可能性が高いのでやめといた方が良いと思います。
PC版の『モンハンライズ』ですら最高画質60fpsは難しいんじゃないでしょうか。
「PS5 Proを買うならゲーミングPCを買え」の正しい意見
反証だけでは正直さに欠けるので、「PS5 Proを買うならゲーミングPCを買え」が正しい部分も紹介していきます。
- 12万円あればゲーミングPC自体の購入は可能
- 12万円帯のゲーミングPCでも画質を落とせばゲームは楽しめる
- 20万円以上の予算でゲーミングPCを買うなら失敗
- PS5 Proと違ってパーツの交換で使い続けられる
- PCならではのゲームを遊びたい場合(Steamのインディーゲームなど)
- そもそもゲーム機とパソコンの比較なため、できることが違う
確かに12万円の予算があればゲーミングPCの購入は可能で、今後もPCゲームを楽しみたい・PCでしか遊べないタイトルに興味があるならおすすめできます。
ゲームという観点だけでも「Steam」のようなプラットフォームを使える点や、アダルトゲームを楽しめる点、MODを導入できる点、エミュレーターでスマホゲームを遊べる点など、ゲーミングPCのメリットには枚挙がありません。
なおかつ一度ゲーミングPCを購入してしまえば、パーツの交換によって長期間使い続けられる点もゲーミングPCならではの特徴です。
ゲーミングPCならではのメリットを比較してまとめた記事も用意したので、もしよろしければそちらも読んでみてください。
PS5 Proには無いゲーミングPCならではのメリットとは? - GameChoiceガイド
まとめ: 「PS5 Proを買うならゲーミングPCを買え」の真相
結論として、PS5 ProはゲーミングPCと比較すると明らかに高コスパなスペックを持っていると考えられます。
PS5 ProとゲーミングPCの関係については、以下の通りです。
- 12万円ではPS5 Pro以下のスペックのゲーミングPCしか買えない
- 12万円のゲーミングPCは最安値クラスで、ゲームを遊ぶ際に画質を下げる必要がある
- PS5 Proは18万~24万円程度のスペックを持っている可能性がある
ここまで「PS5 Proを買うならゲーミングPCを買え」について語ってきましたが、ゲーミングPCならではの魅力に惹かれる部分があればパソコンを買っても良いんじゃないかなと思います。
ただゲームを遊ぶだけであれば当然PS5 Proに軍配が上がりますが、ゲーミングPCはパソコンなのでそもそもの分野が違います。
ただし12万円あればPS5 Pro相当のゲーミングPCが買えるは真っ赤な嘘であり、鵜呑みにすれば損をすることになります。
なるべく安くゲーミングPCを購入したいなら「FRONTIER」というショップの週間セールが最も安く、筆者も直近2回はFRONTIERの週間セールでゲーミングPCを購入しました。
最も予算を抑えてゲームを遊ぶなら、結局のところ「普通のPS5を買う」という選択肢も悪くないんじゃないかなと思います。
PS5 Proで遊べてPS5で遊べないゲームはリリースされないため、今PS5を買っても問題ないと筆者は考えています。
PS5 Pro発表後の「今PS5を買うべきか、PS5 Proを待つべきか」という悩みに答えた記事も用意していますので、そちらも参考にしてください。
gamechoice-guide.hatenablog.jp
追記
想像以上のアクセスを頂いており筆者もびっくりしているところです。はてブの力ってすごいね。
また、追記に合わせて細かい点を修正致しました。
この記事における目的としては「12万円でゲーミングPC」というパワーワードにパソコン初心者が振り回されぬようという思いで執筆しており、コア向けの話はコメントでもご指摘のあった通り少ないかと思います。
記事中で最も伝えたかった箇所は12万円のPCを買うくらいなら分割払いしてでも20万以上のPC買った方が良いよ、もしくは普通のPS5を買っても良いという部分が最たるものです。
「12万円でゲーミングPC」という発言はすべての方がその値段ピッタリのことを言っているわけではないというのは承知しております。
が、それでも近しい価格のPCを見つけてきて「これ買えるじゃん」というポストを見て買っちゃわないで欲しいなという気持ちでこの記事を執筆したという限りでございます。